南会津 黒森山(1075m)、鋏山(1153m)、中の森(1217.0m)、 2015年4月4日  カウント:画像読み出し不能

所要時間 6:43 林道入口−−6:56 除雪終点−−9:19 林道−−9:30 黒森山(休憩) 10:46−−11:29 1040m鞍部−−11:58 鋏山−−13:07 中の森(休憩) 14:02−−14:45 林道−−15:07 除雪終点−−15:21 林道入口

場所福島県南会津郡南会津町(旧田島町)
年月日2015年4月4日 日帰り
天候曇時々晴
山行種類残雪期
交通手段マイカー
駐車場国道路側に駐車
登山道の有無無し
籔の有無少なくとも鋏山〜中の森〜北西尾根はほとんど籔無し。他は積雪で不明
危険個所の有無無し
山頂の展望どの山頂も落葉樹林であまり展望は良くない
GPSトラックログ
(GPX形式)
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コメント針生集落から往復。箕沢沿いの林道を登り黒森山、鋏山、中の森と周回。この日は気温が高く雪が緩んで緩斜面の歩きも苦しかった。雪が溶けて地面が出た場所ではどこも籔が薄そうで残雪期に登るメリットは無いと思われる。黒森山、鋏山近くを通る林道は現役で無雪期のアプローチは格段に楽になる。鋏山では南の絶壁下にいた熊を目撃できた




林道七ヶ岳線入口の除雪基地 林道七ヶ岳線。計画していた林道ではなかった
歩き始めたが地形図と道の付き方が異なるので戻る 案内図。計画は箕沢沿いの破線
箕沢沿いの林道入口路側に駐車 林道入口
ちょっと入ると完璧な除雪 中の森が見える
除雪終点 たぶん水田
箕沢を渡る林道に入りそうにな進路修正 林道に戻る
古いワカン跡 鴨沼。まだ氷に覆われる
鴨沼のトイレ 標高880m付近の林道分岐を直進
ここは右へ 箕沢本体ではなく林道。廃林道か?
緩斜面になると周囲は若い杉植林 奥に見える平坦なピークが黒森山
林道直下から自然林に変わる 林道に出て北上
1050m鞍部から尾根に乗る 熊棚多数あり
無雪期でも籔は無さそう 緩やかに登る
黒森山山頂 黒森山から見た七ヶ岳方面
1040m鞍部へと向かう途中で林道を横断 自然林に変わる
1040m鞍部。林道と合流 1040m鞍部から見た那須連山
1040m鞍部から見た七ヶ岳
屏風のように切り立った鋏山 鋏山の尾根に乗る。雪は無し
鋏山と反対側の1150m峰を見る 鋏山への痩せた尾根は灌木に覆われる
焦げた木。山火事でもあったか? 獣道らしき筋あり
崖下の岩陰に熊が隠れている 鋏山山頂
熊の撮影に成功! 1150m峰へ向かう
1150m峰 今年初めてのマンサクの花
1150m峰から見た七ヶ岳
1150m峰から見た中の森 雪庇があるが尾根上は雪が無い
籔も薄そう 雪も無いが籔も無い!
尾根上は雪庇しか雪が残っていない 境界標識
雪の無い尾根上を進む 1162m峰
1162m峰から東へ進む 那須連山
1150m峰を巻く 那須北部
1110m鞍部から登りにかかる 結構な傾斜だが雪無し
露岩登場 露岩の右を巻く。雪の急斜面
尾根に復帰 上部も傾斜がきつい
中の森東の肩に乗る 中の森山頂
中の森から見た北側の展望(クリックで拡大)
中の森から見た高倉山〜下岳、鋏山 中の森から見た七ヶ岳
中の森から北西尾根を下る 唯一の目印
北西尾根にも雪が無い 東斜面のみ残雪
結構な傾斜が続く 傾斜が緩む
谷に沿って下る 予定コースと地形が違うぞ
右岸をトラバース さらに谷を下る
谷が広がり西へ 水田地帯に出た
往路に合流 振り返る
  1. 除雪終点
雪解けで増水した檜沢川
林道入口にはスタックした軽トラが


 七ヶ岳北東部の黒森山、鋏山、中の森は先週登る予定だったが、地形図紛失で下界での長時間ワンデリングで疲れ果てて日曜日の登山は諦めて帰ってしまったため登れなかった。今週はやり残したその3山を目指すことにした。

 天気予報はあまりよくないが、北上するほど雲が薄いようなので出かけることにする。曇りでもかまわないのだがこの時期に気になるのは気温。予報ではかなり高めで雪が緩んで苦労すると予想された。こんなときこそスノーシューの出番だが、修理に出してまだ見積もりも出ていない状況で今週は使えず、今シーズン初めてのワカンの出動だ。

 西那須野塩原ICで降りて山王峠を越えて会津田島へ。今回は七ヶ岳の北側から攻めるので国道289号線を西へ。カーナビの画面を頼りに箕沢沿いの林道を探すと除雪基地のある場所に到着。林道七ヶ岳線の標識があり正解だと思われた。ここは除雪基地が広く除雪されているので仮眠にちょうど良かった。

 翌朝、朝飯を食って出発。気温は4℃でかなり高め。林道は除雪されていないので最初からワカンを装着するがコンスタントに足首まで潜る。歩き始めるが地形図では南に下るはずが西に平行移動して全く高度が下がらない。これは目的の林道ではないと気付いて車に逆戻りすると、林道入口に七ヶ岳登山道の案内標識があり、箕沢沿いの林道はここより下流(東)であることが判明した。車に乗り込んで移動、カーナビ画面で林道入口を確認、入口は不完全ながら除雪されていた。しかし路面に残った雪の高さからして車高が高い車以外はスタック必至なので歩くことにする。周囲に駐車余地はないので国道路側に駐車。軽自動車なら道路にはみ出さないで置ける程度に除雪されているので問題なかろう。

 ここから南を見ると雪が広範囲に消えたピークが見えていて思わず「雪が無ぇ」と声に出してしまった。ただし、遠めに見た感じは藪は無さそうであった。

 歩き出すとすぐに路面の雪が消えた。林道入口のみわざと雪を残して一般車が入れないようにしているようだ。1車線分の除雪しかしていないのですれ違いは不可能な道が続く。川を渡る橋の上も除雪済み、対岸に上がってもまだ除雪が続いたがやがて終点。ここまで楽できただけでも感謝だ。

 ワカンを装着して広い雪原の西端を進む。おそらく水田だろうが雪に埋もれて地面は見えない。林道上の一部区間で古いワカン跡が見られたが、ほとんどの区間ではカモシカの足跡があるだけだった。

 林道は何箇所かで分岐があるが、標高810mの分岐を見落として西に進んでしまい、箕沢を渡る場所で地形図を確認してミスに気付きコースを修正。南下すると正しい林道に合流。

 鴨池はまだ大半が凍ったまま。さらに林道を上がるとT字路標識が登場、地形図を見てここは右に入って箕沢沿いを進んでいく。地形図では沢に沿って林道が伸びているが、林道らしき道幅の平らな雪の場所は沢本流とは違うのに雪解け水が流れていて、どうも廃林道化しているようだった。途中から林道らしさも感じられなくなり、沢沿いに適当に上がっていく。気温が高く雪質は最悪で、踏み抜きこそ無いが湿って重い雪で緩斜面にかかわらず足が進まない。先週の疲労がまだ残っているのかもしれない。今日は苦労しそうだ。

 林道の存在も分からないし緩斜面に入ると進路判断が難しくなるので浅い谷を登っていく。GPSを見ると山頂は西側と出たので途中で植林の緩斜面を右にトラバース。まだそれほど成長していない杉だったがやがて成長して背が高い杉に変わり、その先は明るい落葉樹林帯だ。今日の気温のせいか、こんな場所でも杉花粉が飛んでいて目は痒いし鼻水は出るしくしゃみ連発で東京よりずっと花粉が酷かった。これからはもっと雪深いエリアに場所を変える必要があるな。

 急斜面を登ると林道が登場、これが最初に間違った林道七ヶ岳線入口から続く林道だ。標識もきれいだし現役の林道だろう。黒森山はここより北側なので林道を右に進むと1050m鞍部で尾根に乗って黒森山を目指す。ここは熊棚が多く見られるが、この春はまだ熊は出てきていないようで足跡は無い。

 自然林の明るい尾根を緩やかに登ると黒森山山頂に到着。周囲を落葉樹林に覆われて展望は良くないが、木の隙間から七ヶ岳を見ることができる。同じような高さのピークが並んでいて、その場ではどこが山頂なのか判別できなかった。山頂には標識、目印は無かった。雪が溶けて顔を出した地面から推測するに藪は薄そうで、これなら無雪期の林道が通行可能な時期に林道から往復した方がずっと楽に登れると思う。

 既に3時間近く歩き続けて疲れたので山頂で休憩。朝は曇りだったが今は日が差して暖かい。顔が日焼けしそうなので日焼け止めを塗った。

 次は鋏山。尾根上を進むと遠回りになるし無駄なアップダウンが多いので1050m等高線に沿って横移動とする。林道に戻って高度計を見ながら緩斜面に入りトラバース。こういうときはスノーシューよりワカンの方が足への負担は小さく歩きやすい。ただし相変わらずの腐れ雪で足が重い。

 林道を横断して少し進むと自然林に変わり花粉症の症状がいくぶん和らぐ。落葉樹林で明るいがまた雲って上空は暗い。そのままトラバースし続けると予定通り1040m鞍部に到着。ここで林道と再合流、ここも立派な標識があって林道が現役であることを物語っている。ここで林道は下岳方面と藤生方面に分岐するが、藤生集落方面は樹林が開けた植生で日当たりがいい影響か、周囲より雪解けが進んでいた。その草原地帯の北側には屏風のように急激に立ち上がった鋏山。尾根上にほとんど雪は見えない。尾根は潅木かな。

 鋏山西側の1150m峰へと続く尾根は雪に覆われているが地形図にない林道が上部まで続いていた。ここも立木が無く見晴らしがいい場所。南風が強く男鹿山塊は雲に覆われていた。

 1150m峰は傾斜が緩いので東側を巻いて1130m鞍部へ。この先は雪は無く落葉樹に覆われた細い尾根なのでワカン、ピッケルを鞍部に置いて先に進む。潅木藪が深いかと思ったがそれほどではなく、僅かに獣道も見られた。尾根直上ではなく北側直下に獣道は続く。尾根直上が細く密集した潅木で歩きにくいが北側は背の高い木が中心で隙間も多く歩きやすかった。

 山頂手前の微小鞍部で南の展望が開けて急斜面直下の開けた草地斜面が目に入ったが、動く黒い物体を発見。すぐに岩陰に入ってしまったので正体を確認できないが、色といい大きさといい熊だろうと思った。1,2分間岩陰から出てこないかと見守ったが動きが無い。稜線上は強い南風で体が冷やされるので長時間体を動かさないのはきつく、帰りにもう一度見ることにしてまずは山頂を目指した。

 微小鞍部の先は尾根直上は潅木藪があるし南が切れ落ちて危険なので僅かに北側を進んで鋏山山頂へ。目印、標識は皆無。細い潅木に覆われてその隙間から周囲が見える程度だった。

 微小鞍部に戻って熊らしき生物が隠れた岩を見ていると出てきた! 真っ黒い塊が! やっぱり熊だった。熊は小走りだが逃げるほどのスピードではなく東へと移動、小尾根で止まって上に登り始めた。山頂にいたら熊と鉢合わせしたかもしれない。今回はしっかりと熊を写真に収めることに成功した。熊がいたのは風上側で私の匂いは届かない、私の方が標高の高い場所にいて熊の視界に入りにくい、距離は200mくらいあって強い南風で木が鳴る音で私の存在に気付きにくいなどの条件が重なって熊に気付かれなかったのだと思う。滅多に無い幸運だった。200mも離れていれば熊に襲われる可能性はほぼ皆無だ。何度も熊を見ていると怖いと思わずうれしくなってしまう。特にこのような危険が無い距離だと。

 鞍部に戻ってワカンを装着、雪がべったり付いた1150m峰へ登る。ここはのてっぺんは立ち木が比較的少なくて展望が開けた場所だった。これから目指す中の森への尾根も見えていたが、雪はかなり少ないようだ。ただしこの状況だと藪も少ないと思うが。山頂には雪に埋もれたマンサクが花を咲かせていた。もうそんな時期か。

 進路を北に振って尾根を下る。雪は東側の雪庇が残るだけで尾根上や西側は地面が出ていた。唐松植林で藪はほとんど無く無雪期に充分歩ける尾根だった。この場所でこの程度の標高では藪は深くないようだ。ワカンを装着していても邪魔なだけなのでここで脱いで雪の無い場所を進んでいく。少しだけ笹があるが藪漕ぎと表現するようなレベルではなかった。

 1162m峰から東へ向かう尾根に乗ると再び雪が乗るがつぼ足でもほとんど沈まないのでそのまま進む。1150m峰は西から北を巻いてショートカット、1110m鞍部から中の森への急な登りにかかる。この登りは今回のルートで気になる場所だったが雪が溶けて無くなっているので雪の急斜面ではなく普通の急な尾根だった。ただし途中に大きな露岩が尾根を塞いでいて、無理をすれば登れそうだったがリスクを犯す必要はないので右の急な雪面から巻いた。雪解けが進んで雪の量が少なく、木の上に乗った雪を踏み抜くことも多くてできるだけ雪が多いところを選んで進んでいく。えらい急斜面で今回唯一ピッケルが役立った場面だった。

 岩を巻き終わり尾根に復帰、まだ急な雪面が続くが雪は適度に柔らかいのでアイゼン不要でキックステップでクリアしていく。思い返せば今回はアイゼンの出番はなかったなぁ。中の森の肩に到着して西へ水平移動すると、木が軽く伐採された山頂に到着。山頂の雪は溶けて三角点が出ていた。山頂標識、目印は無いが刈られた木を見れば人の手が入っているのは明らかだ。南側が開けて七ヶ岳方面がよく見えた。ここで最後の休憩。思ったよりも時間がかかってしまった。明日は適当な小さな山を登る予定だったが、この体力消耗ではやめた方がいいな。

 下山開始。使うのは北西尾根で1089m峰との間の962m鞍部へは向かわずに鴨沼東側へ出る計画だ。西向きの尾根は雪が少ないのはここまでの状態で良く分かっていたが、この先も東斜面は雪が残っているが尾根上や西斜面は完全に無雪だった。そして完全に藪無しで残雪期にわざわざ登ったメリットは皆無だった。いつの間にか日差しがまた出てきて暖かな体感温度。雪解け直後で地面が湿って滑りやすいのでコケないように注意しながら下っていく。

 やがて傾斜が緩んで広い谷に出た。ここから残雪が豊富なのでワカン装着。ここで地形図をよく見れば鴨沼に抜けられたが、単純に谷に沿って下ればいいと思い込んでいたので地形図も見ずに谷を下っていくと緩斜面から狭い谷へ変わる。これはおかしいと気付いて進行方向を確認、地形図と照合すると1089m峰の南から西を通る谷に入ってしまったようだ。ただし、この谷を下っても往路で通った開けた水田地帯に出られるので心配は無い。鴨沼に針路変更するのは尾根を一つ越える必要があり、それは労力の無駄なのでこのまま谷を下る。

 スノーブリッジで歩きやすい岸に移りながら進むと谷が広がって歩きやすくなったので水田がある西へ針路変更。すると東西方向へ伸びる林道が登場、これを西に向かえば往路に出られる。

 今までの下りから水平移動になると重い雪でワカンでも足が進まなくなる。林道が北へ向きを変えた地点で林道から離れて雪に覆われた水田を西へ進むと西端で見覚えのある風景。そして往路の自分のワカン跡に合流した。

 あとはほぼ往路を進み、除雪終点でワカンを脱いで固いアスファルトの林道歩き。重い雪とは比較にならないほど足が軽かった。往路では気付かなかったが橋を渡った先にスノーモービルが置いてあった。これで雪の上を走れたらアプローチが格段に楽だろうなぁ。

 橋を渡り登り返して林道入口に差し掛かると軽トラが立ち往生。無理に突っ込んで底面が雪に乗り上げて亀の子状態になっていた。試しに私が後ろから押してみたがびくともせず。そこでピッケルで「土木工事」の開始。前輪のサス回りの雪を突き崩したがまだ動かずで、男性は携帯電話ですぐ近くの自宅に電話、奥さんらしき女性がスコップを持ってきたので2人で車の下を掘った。さすがにピッケルとは比較にならにほど除雪効率が良かった。前輪サスペンション付近と後輪サスペンション付近の雪をどかしたところで男性が軽トラに乗り込み、私と女性で後ろから押したら脱出成功。その後、道路中央の盛り上がった雪をどかして作業完了。この作業は足ではなく上半身の筋肉を使うので下山で足はヘロヘロでも問題なかった。

 本日は最後に余計なイベントがあったがここまで。来週末に疲労が残ったままでは困るので今週も土曜日のみで切り上げて帰ることにした。来週は花粉を避けてもっと標高が高く雪深い場所を選ばないとダメだな。

 

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